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2023.12.27

柳原病院 ザ・リハビジョン⁈ ~骨髄バンクドナーの話~

師走の候、皆様いかがお過ごしでしょうか?

柳原病院のPT水野です。

 

12月入ったのに暖かかったり、インフルエンザも流行っていたりと、

皆さま体調には気をつけてくださいね。

 

今回柳原からの投稿は、

『骨髄ドナーとなったPT高木』からの、

生の声をインタビューした特集となります。

せっかくなので

登録の流れや実際どんなスケジュールなのかなど軽く説明を入れていきますね!

 

《骨髄バンクとは》

白血病をはじめとする血液疾患の為、「骨髄移植」などの造血幹細胞移植が必要な患者とそれを提供するドナーをつなぐ公的事業。

《骨髄バンクを必要とする主な疾患》

白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、先天性免疫不全症、

代謝異常など。

《骨髄の働き》

《移植の種類》

※移植するには患者とドナーのHLAの適合が不可欠!

一致する確率は兄弟姉妹で4分の1、血の繋がりのない人で数百~数万分の1

《骨髄ドナー登録》

《患者さんとドナーコーディネートの流れ》

つまり、我がリハビリ課の高木氏は、既にドナー登録を済ませたうえで、上記条件をクリアし選ばれたことになる!凄い確率!!

ここで!

無事に骨髄ドナーとしての役割を果たしてきた高木氏に

実際に経験してみてどうだったか?などのインタビューをしていきたいと思います!

《高木氏インタビュー内容》

【質問1】

骨髄ドナー提供をしようと思った、きっかけは何ですか?

 まず骨髄バンクへの登録のきっかけは、大学生の頃に献血センターでの献血を何度か行っており、その時にセンター内で骨髄バンクのスタッフさんに声をかけられたことです。 

その時は大学生だったので、今よりは時間的融通もききます、私が「提供」することで人の命を救えるならと、献血と同じような気持ちで登録しました。あとは正直なところ、説明は聞いていましたが、実際のスケジュールのイメージや、処置内容はあまり理解していませんでした。本当に依頼が来るのかな?くらいの気持ちで、 登録から5年以上経ち、実際に「依頼」が来た時は驚きました。忘れた頃にという感じでした。

その時は簡易的な質問に回答し、現時点での提供の意思確認が問われました。

提供のきっかけの主に2つあります。

一つは、近年母が癌で亡くなり、自分にも何か出来ることがあればと思ったことです。

もう一つは、人生のイベントを考えると、今後依頼が来ても提供は難しく「今しか出来ないこと」と思いました。パートナーに相談する前に、提供する意思がほぼ固まっていました。

【質問2】

骨髄ドナー提供までに苦労した事はありますか?

 主に 3 つありました。

 1つ目はスケジューリングです。提供までに健診(2〜3回)や面談等々がありましたが、指定された病院に行かなければいけ ませんでした。また、各々が2時間程かかってしまう為、休みを取って行く必要がありました。

病院はある程度居住地を考慮した場所にしてくれますが、私の場合居住地からはいずれの病院も遠く、職場から近い所を選択しました。また有休も多くはないので、私は午後休(指定)をとり行っていました。

交通費は基本支給されるので、金銭的負担は少なかったです。しかし、日程調整は職場の理解がないと難しいと感じました。

  2 つ目は家族の同意です。提供までに家族(パートナー)の同意が必要となります。骨髄バンク用のハンドブックがありますが、私は医療職なので、自分で読みある程度は理解が出来ました。しかし、一般の方(パートナー)はハンドブックを読んだり、説明をされたりしても、健康状態の身体に対して、何か処置がされるという心配の気持ちが大きかったようで抵抗がありました。理解して同意をもらうまでで何度も話し合いをしました。

  3 つ目は、体調面の調整や、内服などを一時的に止める必要があったことです。これは特に女性に対してですが、妊娠するともちろん提供はできませんし、貧血等々あれば採血で引っ掛かります。また、定期的に使用している薬があれば、一定期間中止する用に言われました。生命維持に関わる内服であれば、医師の判断により、その時点で提供者の対象外となる可能性もあります。

【質問3】

骨髄ドナー提供前後での自身の心境の変化はありますか?

 行う前までは、「私が提供することで助かる可能性がある方がいるならどうぞ。」 という気持ちが大きかったです。また、5時間ほぼ腕は固定しベッドに貼り付け状態となるため、排泄の方を心配していました。 実際は、 入院期間中の不眠(4人部屋)や採取中に腕の痛みが生じてしまい、 残り2時間程がとても長く感じました。もし 2 日目の採取があったら、少し辛かったかもしれません。この経験があると、家族や友人に骨髄バンクの紹介はしても、積極的に登録を勧めるかは分かりません。また、提供依頼が来たときは改めて(登録から年数が経てる人もいるため)、提供の流れや採取方法に関して調べたり、骨髄バンク側から頂けるハンドブックをしっかり読んだ方がいいと思いました。

【質問4】

骨髄ドナー提供前後での自身の身体的な変化はありますか?

 私は末梢血幹細胞での採取方法だったので、大きくは体調の変化はなく、翌日から仕事復帰ができました。ただ、思っていたより左腕(血液を戻す側)の痺れ感が残った為、復帰初日は重い物を持ったり、介助量の多い方は介入しないように、職場にも配慮してもらいました。

あとは、採取から数日は急激な筋トレや負荷量の多い運動は避けるようにとの指示はありましたが、日常生活には特に影響はありませんでした。痺れも数日で消失しました。

【質問5】

骨髄ドナー提供を終えて、率直な感想をお願いします。

 提供までいくと、色々な面で時間がかかりますし、自分の体調も調整しないといけない為、気軽なボランティア精神では難しいと感じました。

でも、これで助かるかもしれない方がいると思うと、嬉しい気持ちの方が大きかったです。

また、自分が医療職のため、入院中の患者様の気持ちを、その立場になって考える良い機会ともなりました。健康状態で入院することは人生でほぼありませんからね。

【質問6】

今後骨髄ドナーを考えている方に対して、先輩ドナーとして一言お願いします。

 提供依頼が来るかどうかはタイミングもあるらしいです。また、依頼が来ても、生活や身体状況、仕事、体調面のタイミングが合わなければ提供には至りません。また、これは私の考えですが、献血の経験もない段階では、提供時のイメージが付きにくく若干ハードルは高い気がします。

ただ、若いドナーが減少していることや、提供によって助かるかも知れない方々がいることは事実です。私も提供の状況を調べていくうちに、もし自分の家族で移植が必要となった時、率先して登録し助けてくれる方がいたらとてもありがたいなと思いました。

登録してみたいけど…と思う方は、まずは献血から始めてみる方がいいかもれません。また、登録したとしても、提供依頼が来た時に提供の意思があるかは選択可能なので、少しでも意思があれば登録してみても良いと思っています。

初めて骨髄バンクについて知った方も、

今まで骨髄ドナーになるか迷っていた方も、是非この機会に検討してみてください。

 

もう年末!

今年もブログを閲覧して頂き、ありがとうございました!

また来年も宜しくお願いします。

良いお年をお過ごしください♪

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